女性ホルモンと骨盤底筋群のゆらぎ

ヨガとからだの仕組み

―月経期から更年期まで、ヨガでできるセルフケア―

私たち女性の身体は、月経や出産、そして加齢など、さまざまな変化を経験します。その中で、「なんとなく調子が悪い」「体の中の感覚がつかみにくい」と感じたことはありませんか?

今回は、そうした変化と深く関わる「骨盤底筋群」にやさしく意識を向けてみましょう。

「骨盤底筋群を感じられない」「どう動かすかわからない」

ヨガのレッスンでも、こうした声をよく耳にします。

今回は、月経周期や産後、更年期といったライフステージを通してゆらぐ“骨盤底筋群と女性ホルモンの関係”を、解剖学と生理学の視点から丁寧に紐解きながら、ヨガでできるセルフケアをお伝えします。

骨盤底筋群と女性ホルモンの実は深いつながり

骨盤底筋群ってどんな筋肉?

骨盤底筋群とは、骨盤の底を覆うハンモックの様についている筋肉の総称です。内蔵を支えることが主な役割ですが、肛門や尿道など排泄に関わる機能や、体幹の筋肉として、姿勢を保持する役割も担っています。そして、この骨盤底筋群は女性ホルモンと密接に関係しています。

女性ホルモン(エストロゲン)の影響

中でも大きく影響を与えているのが、「エストロゲン」です。エストロゲンは、筋肉や結合組織に弾力と潤いをもたらす働きがあります。そのため、ホルモンの分泌が安定している10~20代にかけては比較的骨盤底筋群の感覚も保たれやすいと考えられます。

しかし、月経前のホルモンのバランス変化や、出産による物理的なダメージ、さらに加齢によるエストロゲンの減少などにより、骨盤底筋群の「緩み」や「感覚の低下」が起こりやすくなります。さらに、妊娠中は「リラキシン」というホルモンの影響で、靭帯が緩まりやすくなり、「気がつけば力が入りにくい」「感覚が鈍くなった」と感じる方も少なくないのです。

月経前になると、なんとなく身体が重だるい、トイレが近い、姿勢が崩れやすい——そんな経験はありませんか?
それは、ホルモンバランスの変化によって、骨盤底筋群が本来の働きをしにくくなっているサインかもしれません。

骨盤底筋群がゆらぐタイミング

  • 月経前(PMS期):むくみ・血流不良で感覚が鈍くなる
  • 妊娠・出産期:骨盤の開きや物理的負担で筋力低下
  • 更年期以降:エストロゲン低下で筋・粘膜の萎縮傾向

「緩む」「感じにくい」のはあなたのせいじゃない

骨盤底筋群は、腕や脚の筋肉のように「目に見えたり」「大きく動いたり」する部位ではありません。
また、常に内臓を支えたり排泄を調整したりと、無意識で働いている筋肉でもあります。
そのため、そもそも“動かしている感覚”がわかりづらいのが当然です。
しかし、わからないからと諦めてしまっては、この先感覚が戻ることは難しくなってしまいます。重要なのは、「私は骨盤底筋群が使えない」と決めつけてしまわないこと。

骨盤底筋群が「使えない」のではなく、「感覚をつかみにくくなっているだけ」

意識と感覚の回路がつながれば、身体はちゃんと応えてくれます。
ヨガの呼吸法やアーサナは、その“感覚の再接続”を助けてくれる優しいツールです。
「動かす」ではなく、「感じる」ことから、骨盤底筋群との再会を始めてみましょう。

🌬 ヨガで骨盤底筋群と“再会”する

💡 セルフケアのコツは「鍛える」より「感じる」

骨盤底筋群は、呼吸のリズムに合わせて自然と動いています。

呼吸と骨盤底筋群の関係

呼吸横隔膜骨盤底筋の動き
吸う息下がるゆるむ・広がる
吐く息上がる引き上がる・収縮する

この“呼吸と連動した微細な動き”に意識を向けるだけで、骨盤底筋群の感覚は徐々に戻ってきます。

感覚を高めるおすすめアーサナ(ヨガのポーズ)

チャイルドポーズ(バラーサナ)

チャイルドポーズ

🔍️ポイント
腰と骨盤の力を抜く
床に骨盤を預けるように休み、吐く息で骨盤底が内側に引き込まれる感覚を探ります。

例えば、寝る前の静かな時間に、一日頑張った骨盤を、ゆっくりと床にゆだねるようにして、呼吸とともに内側へと意識を向けてみましょう。

キャット&カウ(マルジャリ・ビティラ)

キャットポーズ
カウポーズ

ポイント
呼吸に合わせて背骨と骨盤を動かす
骨盤周辺の感覚を高める練習になります。

方法
吐く息で骨盤から背骨を丸めておへそを覗き込み、吸う息で縮めたお腹を伸ばすように胸をひらきます。
急がず、無理なく。動きの中に「今、どこがどう動いているかな?」と意識を向けてみてください。

橋のポーズ(セツバンダアーサナ)

橋のポーズ

🔍 ポイント
「締める・力む」より、「じんわり感じる」ことを大切に
手で骨盤やお腹にそっと触れながら行うと、感覚がより明確になります。

方法
仰向けになり、足を腰幅に開いて膝を立て、お尻をゆっくりと持ち上げます。
吐く息に合わせて、骨盤底が内側へ引き寄せられるような感覚を探してみましょう。

🌱 骨盤底筋群は「締める」ものではなく、「育てる」もの

骨盤底筋群のケアというと、「鍛える」「締める」といった言葉がよく使われます。
けれども、まず大切にしたいのは、しっかり締めることや、力を入れることではなく、

「じんわりと感じること」です。

この筋肉は、とても繊細で、内側にある感覚です。意識を向けるだけでも、その存在がふっと浮かび上がってくるような、不思議な感覚があります。

強く動かすのではなく、そっと呼吸に合わせて動きを感じてみる。そんなふうに、自分の中にある静かな動きに気付くことが、ケアの最初の一歩です。

手をお腹や骨盤にそっと添えてみるのもおすすめです。温かい手のひらを通じて、「ここにいるんだな」と感覚が少しずつ明確になっていきます。

無理に感じようとしなくても大丈夫です。日によって違って当然ですし、「今日は何となくここにいる気がする」くらいで十分です。

毎日の暮らしの中で、呼吸とともに骨盤底筋群を思い出す時間をつくること。それが、将来の安心や、自分の身体への信頼感につながっていくはずです。


まとめ

いかがだったでしょうか?骨盤底筋群とアプローチ方法へのイメージは持てたでしょうか?

女性の一生を支えるために、大切にしたい骨盤底筋群の感覚。しかし女性ホルモンの変動によって機能がゆらぎやすく、月経期・産後・更年期は感覚が鈍くなるのが自然な流れです。

そんな骨盤底筋群をケアするには、ヨガで「鍛える」よりも「感じる」ことから始めるのが大切です。

感覚が遠のいてしまった骨盤底筋群でも、呼吸とともに、育っていくように付き合っていきましょう。

mayuko

看護師×ヨガインストラクター×リリナージュ®アンバサダー
子育てしながら、RYT200取得し、子連れヨガを開催!
「お母さんの笑顔は家族の元気」をモットーに、
子育て中の女性に向けたセルフケアを発信していきます!
3児の母/和歌山→滋賀→京都

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